大乱世の梶山

「デフレだけは絶対だめだ。同じ不況ならインフレのほうがましだ。」

正確に覚えているわけではないが、1998年の総裁選でテレビ(サンデープロジェクトだったと思う)でこのように発言していたように思う。ただ強烈なその意見は私のこころに届いた。当時マスコミでは勝つ確率はまったくないと報道していたと思う。

世の中にはほかの何をおいても回避しなければならないことがあると思う。そのうちの一つが「失われた10年」を生みだした「デフレ」だと思う。

彼はその1点において正鵠を射ていた。だがマスコミの予想通りに彼は選ばれず敗れた。

歴史にIFは無い。だが彼が選ばれていたら、今の「格差社会」は無く別の問題が騒がれていたと思う。

Wikipediaのエピソードにはこのようにある。

竹下派全盛期に当時の会長であった金丸信から「平時の羽田、乱世の小沢、大乱世の梶山」と呼ばれていた。

まさに今は大乱世だ。100年に一度の危機である。

また、こうも書いてある。

1998年の自由民主党総裁選挙に出馬した時は、田中眞紀子に「凡人(小渕)、軍人(梶山)、変人(小泉)の争い」と評された。

日本という国は歴史の転換を武人に任せてきた。今まさに梶山静六が必要とされていると思う。(ただ現在の民主党の党首が「小沢一郎」なのも運命の皮肉だと思う。)

総裁選出馬の項にこのように書いてある。

梶山は、自身の志を継ぐ将来のリーダー候補として、麻生太郎に多大な期待を寄せていたという

そして今、麻生太郎が総理大臣である。総裁選挙で選対責任者を務めた彼がである。

戦う相手はもう間違えてはいけないと思う。「デフレ」である。

前二人の敗戦処理にある程度目処がつき、支持率も落ちるところまで落ちた。麻生総理大臣は歯を食い縛りやるべきことをやって欲しい。

大乱世という言葉の含みと、軍人という言葉から導かれる連想には暗鬱たる思いがあるが。